「塗装ブース」関係の法令
分かりにくい部分を解説しています
労働の安全、わかりにくく
ポイントでご説明します
塗装ブース適切に使いましょう
1.塗装ブースの設置は、義務です
2.ブース内の空気は換気しましょう
塗装ブースに関係する法令は、
「労働安全衛生法」
「有機溶剤中毒予防規則」、
「粉じん障害防止規則」です。
法令の決まりごとについて、改めて確認してみましょう。
改善が必要になることもありますが、改善されて得られるメリットは大きいです。
「労働安全衛生法」では塗装の「作業場所を囲う」設備として塗装ブースを設けることを事業主さまの義務としています。
新規ビニールブース導入
プッシュプル塗装ブース
新しく導入のブース
労働安全衛生法は、
①「職場における労働者の安全と健康を確保」して、
②「快適な職場環境を形成する」ためとしています。
粉じん、ミスト舞う
気づかず粉じんにさらされて
対策される事業主さま
対象は基本は塗装作業者ですが、健康にかかわることなので就労者全員とみていいと思います。
快適な職場とは、基本は作業場所ですが工場全体が含まれると解釈するべきで、塗料ミストや粉じんが工場全体に漂う光景は、快適な職場環境とは言えません。
ブースの設置や運用については、規則の「労働安全衛生規則」と「有機溶剤予防規則(有機則)」、さらにお役所からの「通達」などが定めています。
2022年5月「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令」が公布されました。
その内容は塗装作業での法律の適用をより厳しくするものです。
作業環境測定の結果が第三管理区分であった事業所には、塗装作業環境の改善措置を実行すること。化学物質による労働災害を防止するため実施事項や管理、監督項目も改訂され、2023年4月から逐次施行されています。
今までより規定項目をしっかり「守ること」を国は強く求めています。
下の図は、工場内の規定と工場の外、近隣に関係する法令を表したものです。
上図、塗装ブースはおもに工場内を対象とする法令になります
テーマは、安全と健康
就労者の命を守る
塗装ブースの改善対策
2024年4月、労働安全衛生法は、「化学物質の自律的管理」に改正されました。
背景と主旨して、危険な物質(有機溶剤や特定化学物質など約120物質)は法律で個々に対策を示してきましたが、日々、増える化学物質の登場に対策が追いつきません。事業者は「規制対象外=安全」という認識を生み、現場での安全対策が後手に回って労働災害の8割が「国の規制対象外の物質」という実態があります。
個々の物質に国が対策を細かく指示する方式(個別規制)では限界があるため事業者には主体的にかつ継続的にリスクを減らす仕組み(対策の効果を確認し、状況変化や子細な新情報に合わせ対策を見直す)に取り組み履行することを義務付けました。
事業者が化学物質の危険性や有害性を調べ、就労者のばく露を「濃度」を抑える対策を自ら選んで実行する管理方法です。すべての対象事業所に「化学物質管理者」の選任や、リスクアセスメントに基づく「ばく露防止策の実施」が義務化されていま
改正内容や実施方法については、近隣の監督署などにご相談されることをお勧めします。
一定量以上の危険物(塗料、有機溶剤)を保管、使用する場合は消防法(危険物取扱)や指定可燃物の規定の保管や使用時の注意点が定められています。
また、ブース内の電気設備(照明や制御盤、動力ファン等)は防爆構造にする必要があることやダクト内に堆積する粉じんでの火災や粉じん爆発の恐れへの対策として点検やこまめな清掃が求められます。
局所排気装置やブースを設置・変更する際は、設置の30日前までに労働基準監督署長へ「機械等設置届(様式第20号)」等の提出が必要となります。
一度、お役所にご相談されアドバイスを受けられることをお勧めします。
【実際は】
①.排気能力が低くまともに排気出来ていないところが多いです
排気の吸入口のフィルターが目詰まりで通気性が落ちています
②.工場外に悪臭や粉じんが拡散する恐れから排風量を下げています
③.塗料ミストや溶剤ガスにまみれての作業が見受けれます
【解決に向けて】
作業ブースの排気する風量は、決められた正しい数値を守りましょう。
下図は、きれいな空気 Aが背後から入ります。ブース内の汚れた空気は、 Bに押し込められ、排気口の左側から外に排出されます。AとBの境目を捕捉面と言います。
この捕捉面が作業者の体の前側になることで有害排気に作業者がまみれないようになります。
下図ブースの左に排気装置は、捕捉面の風速が0.4m/s以上が必要で換気できるパワーが求められます。
換気パワーが弱いと作業者が有害排気にまみれてしまいます。
外の空気が Aから Bへと流れる「横引方式」
ブースやフードで法令が要求している風速は
囲い式ブース0.4m以上/秒
外付け式上方吸引フード1m以上/秒
上から床下へのプッシュプル型塗装ブースは、0. 2m/s以上
囲い式フード0.7m以上/秒
グラインダー用 5m以上/秒
必要な風速は、ブースやフードの形式、用途ごとに決められていています (有機溶剤中毒予防規則、粉じん障害防止規則)
そして、この風速を出せる排風機(局所排気装置)が必要で、ブースの大きさ(容積)で排風機の大きさも変わります
労働安全衛生法は塗装ブース内の空気の動き、風速を決めており、このブース内の風速を制御風速と言います。風速が弱いと当然十分な排出(換気)は出来ず作業者が有害物質にまみれてしまいます。
風速は、どこで測るのかですが、囲い式(有害物の発生源がブースの中)ブースの場合は、ブースの入り口(開口部)で、フードの場合は、発生する有害物が飛散している最もフードから遠い位置となります。
注:ブース内の気圧を陽圧か負圧にされるかは、利用用途により変わります
制御風速測定の塗装ブース
排気装置フード面の風速計測
法令:有機溶剤中毒予防規則
第二章 設備 (第一種有機溶剤等又は第二種有機溶剤等に係る設備)
法的に装置の点検義務と記録簿の保管要件あります。
局所排気装置やプッシュプル型換気装置は、1年以内ごとに1回、定期自主点検を行い、その結果(点検記録)を3年間保存されますよにと義務(有機則第20条など)付けられています
頭部は、きれいな空気側に
フードでも捕捉面を意識します
右図は、上半身部分が有害排気ガスの範囲に入らないよう「捕捉面」を保ちます。
吸い込み力が弱いとミストが工場内に拡散してしまいます。
ブース内は、きれいに
ロボットや治具、リフトでの塗装
ロボット等の作業環境について、法令の決めごとはありません。
しかし、ブースから漏れた有害排気が工場内、各所に拡散し、他の就労者に害とならないことは、必要でブースでしっかり囲うことは、基本です。
ロボット塗装でも塗面に粉塵付着は、品質への影響にもなります。よって、有害物質を含む空気を外部
へ排気することは同じと考えます。
粉塵対策、発生源で抑えること
粉塵対策、外部拡散を防ぐこと
塗料ミストや研磨切削などの粉じん対策も同様です
工場における粉塵の危険性は、粉じんを吸入すると、肺の組織が硬くなって弾力性を失い、じん肺やじん肺合併症などの呼吸器系疾患を発症する可能性があります
粉じん作業に関する法令には、労働安全衛生法、労働安全衛生規則、じん肺法、粉じん障害防止規則があります 指定作業場では、労働安全衛生法第65条第1項により、作業環境測定機関による定期的な粉じん測定が義務付けられています
粉じん障害防止規則第23条では、事業者は粉じん作業に労働者を従事させるときは、粉じん作業を行う作業場以外の場所に休憩設備を設けます 粉じん作業での予防策として、粉じんの拡散を防止する囲い、フードを設けます 粉じんを作業者が吸入しな
いよう、換気する、集塵機を使う、呼吸用マスクの
使用などです。
塗装ブースは、塗装作業を行うための専用の囲われた部屋(領域)で、塗装スプレーで塗装の際、周りに塗料ミストが飛ぶのを防ぎ、同時に塗料に含まれる有機溶剤(シンナー)の激臭の拡散を防ぐ設備です。一般には局所排気装置と合わせて使われます。局所排気装置は、前述の塗料ミストや有機溶剤など有害物質を吸引し塗装ブースから戸外へ排出し作業者される方が有害物質にまみれないようにし健康を守ります。
風速計1台は常備しましょう
(当社使用のもの)
ブースを設置する際は、労働基準監督署への届出が義務付けられています。
また、有機則ではプッシュプル型塗装ブースの制御風速や排風量、排気ファンのみの自然給気の塗装ブース(ビーニールブースなど)の制御風速などが規定されており、風速の維持が大切です。
また、ダクト設置や屋外排気口の位置や高さなども
規定があります。
しっかり排気しましょう
**最後に有機溶剤予防規則(有機則)などに「塗装ブース」という言葉は、出てきません。混乱しますが同法令の5条には、有機溶剤業務を行う作業場所に、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない、と書かれています。この設備や装置が「塗装ブース」と解釈されています。 労働安全衛生法は「職場における労働者の安全と健康を確保」するため「快適な職場環境を形成する」ようにと定め、塗装ブースについての具体的な記述はなく、塗装ブースの要件細目は有機則に委ねたものとなっています。
大気汚染防止法、水質や土壌汚染対策に自治体の環境保全条例との関係で、工場外へ排出するVOC(揮発性有機化合物)や悪臭、粉塵排出に関する規制にも注意される必要があります。
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