成分の50%以上が水で消防法(火災)の危険性はないとみてよいでしょう。
しかし、塗料の注意書きは、身体(健康)への対策は、溶剤塗料と同じと書かれています。水性でもアルコールや少量の揮発性有機化合物(VOC)が含まれていると言われます。
消防法の適用外でも健康は、守る価値として、変わりません。水性塗料と有機溶剤塗料との安全対策での違いは、ありません。
消防法以外は水性塗料の危険性への安全対策はそのまま準用
トルエンやキシレン、酢酸エチルなどの有機溶剤、シンナーは塗料や接着剤、インキなどに現在も使用され、その利用分野は非常に広いです。
溶剤は危険な面があり、長い間様々な対策がなされ、法令での規定も整備されてきました。
水性塗料は、安全対策や環境への配慮として画期的な存在と言えるのですが、30年経つのですが今 一つ 普及していません。
水性塗料は、「水性ペイント」とも呼ばれ30年前に販売が開始されました。
何と言っても塗装ブースでの作業者への激臭がないことは、価値があります。
しかし、意外に普及しない事情は、事業主様の経済事情です。
2026年4月の労働安全衛生法(安衛法)の改正で、水性塗料等の危険有害性のある化学物質が含有するものは、SDS(安全データシート)の交付義務とラベルへの表示の対象範囲が大幅に拡大されました。
• 水性塗料は「水性だから安全」とは言えず、配合されている添加剤や成分によって
は、新たにSDS規制やリスクアセスメントの対象になる可能性があります。
• 変更通知の義務化とは、SDSの最新の記載内容を常に資材を使用している事業者や
就労者へ伝えること、と今までの努力義務から法的義務へ変わりました。新たな化
学物質規制の導入やGHS分類の更新などに伴う変更です。
• 罰則の強化として、違反者には罰則規定が設けられ、ラベル表示欠落などには厳罰
が科されます。
体内に入り込んできたプラスチックごみ
NHKより
以上の物質を塗装時のオーバーミストをひとが吸い込んでも、「問題ない」と、言い切れるでしょうか? シンナー臭がない分、気づきにくく、無理して作業されているのではないでしょうか。 粉塵化したものは、工場から近隣地域にまで拡散します。下水へ排水したものは、河川や海洋へ広がりマイクロプラスチックなどとして浮遊ごみとなります。
塗料を使用する際に、飲食又は喫煙をしないこと
吸入した場合は、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休ませること
臭いがなく火災リスク(消防法)は低いものの、身体障害リスク(有機溶剤や添加剤、ミスト吸入の恐れなど)は残ります。水性にしたから法令の対象外は、誤解です。
塗装ブースでの作業は、シンナー臭がない分、無理してでも作業は出来るとは危険であると感じます。身体への害や環境負荷は、時間が経たないと分からない部分があります。
前述の塗料の原材料がオーバーミストになってしまったものをひとが吸い込んでも安全です、とは言い切れないと考えます。
浮遊する粉塵
光が当たると見えてくる粉塵
水性塗料は、50%以上が水分でが防腐剤や添加剤、顔料、アルコールに溶剤などが含まれているといわれています。メーカーによっては、この表示の明記がハッキリしていないものがあり、塗料を選択される際には、安全シート(成分と危険のことわり書き)をしっかり確認されることです。労働安全衛生法(新・化学物質規制)リスクアセスメントは、2026年4月の法改正でラベル表示、SDS(安全データシート)交付などリスクアセスメントの対象物質が約2,900種へ増えた改正があります。
前提として、水性塗料の構成物質(顔料に染料、防腐剤、固着剤等々)は、ばく露防止策の対象になっています。労働安全衛生法は、化学物質が水性か油性かと言う製品の性状ではなく、含有化学物質の有無を基準に区分しています。
水性塗料に防錆成分(鉛やクロム化合物、顔料や、造膜助剤、添加剤、硬化剤)などにリスクアセスメントの対象物質が含まれているのか、確認が必要です。
【事業主に課せられる義務】
化学物質の自律的管理をすること。
国が定める管理基準(濃度基準値など)を達成するため、事業者が危険性や有害性に関する情報(SDSなど)をもとにしてリスクアセスメントを実施し、自社にばく露(有害物質などにさらされる状態)がみられるならその防止策を自分たちで決めその仕組みを含め実施することとなっています。
リスクアセスメントとは、職場や事業活動で隠れている危険性を洗い出し、その危険度を見積り、出来る対策を進めていくアプローチを言います。
基本となる5ステップ
• 危険性又は有害性の特定として事故や健康被害の原因となる成分をピックアップ
• リスクの見積として、事故障害の発生の可能性と、その重大性の想定
• 対処の優先度として、リスクの大きさに応じ対応(リカバリー)の順番を決める
• リスク低減措置の検討実施として、危険源の撤去や設備改善を実行する
• 実施した改善策の有効性の確認として記録を保存し後々効果検証をする
溶剤のような激臭がなくても、塗料のオーバーミストの回収や排気対策はしっかり行なわれますようご提案します。
有機溶剤系塗料は、積み重ねてきた安全への取り組み、創意工夫の歴史があります。
単純に水性塗料の採用が安全性を保障してくれるとは誤解です。
目に見える塗料ミストだけでもマイクロバブルでしっかり捕集、回収